「ネギを刻む」の逸話
職場で語り草になっていることがある。
「ネギを刻むと忘れ物をする。」
以前、某巨大SNSで、ネギを大量に刻んだ旨を日記に書いたことがある。
ネギ塩ダレや食べるラー油などを作るために必要だった。
その翌日、何故か、仕事に大事な眼鏡とエコバッグを持参するのを忘れた。
すると、そのSNSのお友達(そこではマイミクという…苦笑)であり、
職場のアルバイトさんでもある女性Dさんに、
「ネギばっかり刻んでるからやで。」
とツッコまれた。勿論こちらは、「なんでやねん」と笑い飛ばした。
が、それ以降、何か忘れ物をすると、「ネギ刻んだやろ?」とツッコまれ、
即SNSに流され、コメントが付く、なんて調子。
とうとう定説みたいなものが出来上がり、
「〇〇(私)はネギを刻むと、翌日、忘れ物をする。」
ということになってしまった…。
で、先日、眼鏡を忘れた…。全くの偶然。
パソコン用の眼鏡なので、これが無いと7割程度しか出来ない。
『ネギ、刻んでへんのに…』
と小さくぼやいたにも関わらず、Dさんにはメールで通知されていた(苦笑)
こうやって、私が忘れ物をしても、ネギを刻んでも、ツッコまれる。
さて、ネギを刻んでいてツッコんでくるのは、職場の連中だけではない。
次男坊もそうなのだ。両者、まったく関係はない、がネギには敏感だ。
台所でネギ(注:玉ねぎではない)を刻んでいると、飛んでくる。
「ママ、ママ、ネギでしょ?目が痛いってばっ!!」
見ると、目が真っ赤になって潤んでいる。
因みに、台所と子供の部屋は数メートル離れている…
最初は、幾らなんでも…と思っていたが、それがどうして、
毎回、ネギを刻む度、目を真っ赤にして130cmちょいのチビが走ってくる。
じゃぁ、次男坊が居ない間に…と、独りの時にネギを刻むと、
帰宅した途端、玄関先で、「まただよ、またネギだよ…」と次男坊が項垂れる。
昨夜はカレー用にと玉葱を大量に切った。
当然私は涙で視界は利かず、鼻はズルズルで下を向けず、仕方なく作業を中断。
すると次男坊が寄ってきて、
「どうしたん? ? ? なんや、玉ねぎか」
って、何だ、何だ、何なのだ、その無機質な反応は?
ネギと玉ねぎでは、反応に雲泥の差がある… ありすぎだ。
ネギの飛沫は横に拡散して、玉ねぎは上方向なのだろうか?
いや、そんなことはどうでもいい!
母はこんなにも苦しんでおるではないかっっ!?
と悶え苦しむ母を余所に、次男坊は部屋に戻って行った…。
これからネギの活躍する季節。
値段も手ごろになって、我が家でも再三登場することとなるだろう。
冬に漬け込むキムチ、野菜炒め等に使えるネギ塩ダレ、
薬味として大活躍する食べるラー油、餃子や焼売、鍋などなど。
当然、ネギを刻む機会はグッと増える。
で、私はその度に、忘れ物と次男坊の猛烈ダッシュに注意せねばならない。
たかがネギ、されどネギである。