続・母もぼやいてみたいなり

心機一転。しかし母はぼやき・戯言・寝言を続けます。どうぞよろしくお願いします。

反省文のお話

昨日、長男・大海の学校へ赴き、

生徒指導の教官2名、担任教師、長男、私の5人で、

それはそれは小さな相談室に籠って、

この7月に長男が起こした家出騒動に対する学校側の措置の内容、

その内容に決定した経緯や理由、

長男が提出した反省文と私が述べた見解とを合わせ考えた指導教官の意見、

これからの生活態度への要望、担任教師からのきついお言葉…等々、

小1時間、じっくりと話し合いをさせて頂きました。

これで長男が抱える悩みが解決したわけではありません。

これからも学校と家庭とでタッグを組んで、

彷徨い続ける子供をしっかり見守る、そういう態度で臨む…

そんな取り決めが出来た風に感じました。

 

反省文の内容について、教官から、「まだまだ甘い」との指摘がありました。

まぁ、15歳の少年が書く反省文です。

大人から見れば、まだまだ努力も、考慮も必要と感じるでしょう。

でもそれは単に年の功からくる高圧的な意見ではなく、

これで限界だ、と感じてしまっている子供にとってのいい励ましになろうかと思うのです。

後ろや下ばかり見ずに、前を、上を向く。

そこにはまだまだ可能性が潜んでいる事を知ってほしい。

戒めの言葉には違いないでしょうけど、それで萎縮することなく、

励みの言葉と感じて前進して欲しいものです。

 

先ほど長男にちょっとしたお話をしました。

 

「お母さんもな、高校の時、反省文書いたことあんねん。」

 

長男の驚きっぷりは、予想以上でした。

「えぇ~~~~??? 反省文書いたことあんの?」

「うん、兄ちゃんと同じ、高1の時。クラスの子達とあるセレモニーをな、

ボイコットしてん。」

「げっ!! ボイコット??」

 

事情はこう。

私の出身校の前身は女学校だったので、針供養という式がありました。

その際、家庭科での研究発表などが行われていました。

私の居たクラスは、仮にも…ですが特別進学クラスで、

その研究発表の準備をお願いしたい、と家庭科の教師直々に依頼がありました。

毎日放課後残って、その準備を進めていたのですが、

式の直前になって、その準備した内容に不満があった家庭科教師が、

他のクラスに同じ準備を依頼し、そちらを発表に使うと言って来ました。

何の断りもなく、他のクラスに秘密に同作業を依頼していたことに、

私たち女子生徒は怒ったんです… まさに憤怒。

もし何か不満があるなら、直接言ってくれれば、やり直す時間だってありました。

しかもその教師、他のクラスの前で、我がクラスの悪口を散々言い、

私達の前では、ニコニコしながら褒めちぎっていたんです。

勿論抗議しました。しかし何も覆ることはなかったんです。

 

で…「式には出ない!」と女子生徒は決意。

我がクラスの教室はちょっと特殊な作りで、教室の後ろ側の外は、

校舎外へ続く抜け道になっていました。

式は午後からだったので、お昼を食べると一斉にそこから「解散!」

学級委員の子だけ、「私は責任を取って出る。大丈夫。」と1人式に参加しました。

後に聞きましたが、その日の式場の光景、恐ろしいものだったそうです。

クラスまるまる1個分、空席だらけなんです。

担任の顔は真っ青、家庭科教師の表情もひきつっていたとか…。

 

ボイコットした連中(私含む)は、帰宅する者もいれば、

友達宅に一旦集まって、色々と今後の事を話し合った者もいます。

実は、その翌日が実力テストで、進学クラスの生徒としては、

これをスキップするわけには行きません。

しかし…昨日の今日…では、もしかするとテストも受けられないかもしれない。

どうすればいいのか悩み、自分でしっかり考えて、

半数は出席、半数は欠席することになりました。

お互いを責めたりすることなく、これは各々の決断を尊重した形でした。

 

私? 翌日出席して… なんと、テストは受けられました。

しかし、当然、テスト後には呼び出し… 生徒指導室へ直行。

小さな個室に、昨日ボイコットした連中が集められ、

原稿用紙と鉛筆が配られて、即、反省文提出、ということになりました。

反省? するにはしました(苦笑)

ただ、家庭科教師が私たちにしたことはしっかり書きました。

それは、後日出席して私達以上に雷を落とされた子達も同様、

どれだけ反省を促されたとしても、どうしても譲れない部分があったんです。

式が嫌でボイコットしたわけじゃない。

私達にも、ちょっとしたプライドみたいなものがある。

それを傷つけるのは、それが例え教師であっても許さない、と。

 

後日、家庭科の授業。背後に担任教師が立っていました。

家庭科教師が教壇に立ったときの緊張感…凄かったです。

半分泣きそうになってる子も居ました。

家庭科教師曰く、

「式をボイコットされたことに怒りを覚えた、驚きもあった。

でも、生徒の気持ちを無視していた。」

…謝罪されました。

それは別のクラスにも伝えられました。それには私達、感謝しました。

 

その後、この家庭科教師とは良い関係を築けました。

授業もきわめて円滑に、質問や意見も飛び交い、

実に楽しい授業だったと覚えています。

ただ、毎年の針供養の時期になると、お互い苦笑い。

「ちゃんと出席してくださいね。」と言われ、

「先生~。何もなければ出ますよぉ~」と私達。

 

私達がとった行動は間違いだったでしょう。

無言で何かを行うことでは何も伝わらない。

反省文の中に綴ることは、本当に勇気の要ることでした。

しかし、ここで言わずしてどうする!そんな気持ちがありました。

生徒指導室で泣きながら反省文を書いた子だっています。

そのくらい、必死だったんです。15,16の子供にとっては。

反省文なんて書いて楽しいものなんかじゃないです。

でも、自分の思うところを口に出せないとき、

書くことなら出来るかもしれない。ちょっと勇気が湧くかもしれない。

そういうチャンスの場ではないかと思います。

 

長男も甘っちょろいながら、反省の気持ちを書いたと思います。

それで思い知ることがあると、分かったことでしょう(願望)。

これからは是非口に出して、もう2度と反省文を書くことがないように、

先生と私達親と、そして友達と一緒になって、

色んな問題を解決して行って欲しいと思ってます。