思春期
午後3時、旦那から電話が入った。
どうやら中学校から連絡があり、是非、折り返し電話して欲しい、とのこと。
やはり自分の息子のこと、旦那は話に入りたいのだが、
ここでどうしても言葉の問題が発生するため、その座を私に譲るしかない。
そんな苛立ちがあからさまに分かる声色だった。
学校に電話してみると、担任が、
『〇〇君(長男)、どうやらクラブをサボってるみたいです、ここんとこずっと。』
はぁ~、またか。
実は今回2回目。
昨年度末、クラブの担当教諭から電話があり、
かなり長い期間クラブ活動を疎かにしていることを知った。
もうクビ寸前、どうにか復帰するよう説得してほしい、との内容だった。
全く寝耳に水、驚きと落胆とでこっちも動揺した。
そして勿論、長々とお説教もさせて貰った。
また同じ事を繰り返し、周囲にも繰りかえさせるんかな・・・この子は。
ここで一喝すると、例の放浪癖が出てしまうのではないか、という心配から、
長男には内緒で私が中学へ赴き、三者懇談を急遽もつこととなった。
私が移動している間の1時間、担任と長男はじっくりと話し合ったようだ。
最初は先輩との問題から始まり、自分に自信が持てないことを話し、
そして友達が少ないことに内容が変わり、で、最後・・・
『女子との関係が、なんか分からなくなった。』
なるほど・・・ そうか、これが中2か・・・
とうとう本格的に思春期に入ったんだね、長男も。
小学入学からずっと、周囲には女子ばかりで、
そんな中、おっとりした性格のまま成長したわが子。
男子の当たりの強いコンタクトに面を喰らい続けていた。
完全な草食系なのだが、でも体は立派に男になった。
精神的に大人になっていく女子との間に距離が生まれ、疎外感を感じたらしく、
同じクラブに同学年の男子が居ない為に、居辛さを感じ、休んでしまったらしい。
自分が男になっていくことの自覚が体に追いつけず、
周囲の反応に戸惑って、独り悩んでいたようだ・・・。
周りの子達も、長男が男としての一面を持っていることに気づき、
何かしら接触の仕方に変化が出始めているのも事実らしい。
ただ今は、女子だとか恋愛だとか、そういうのを耳にするだけで赤面し、
ただひたすらに混乱して、体と心がバラバラになりそうなんだそうだ。
仮にも自分は女だ。
多感な時期もそれなりに女として悩みながら成長してきた。
同じ思春期といっても、男性のそれとは大いに違う。
だから全く理解できない、想像も働かない、皆目見当も付かない。
やはりここからは父親の出番なんだよな・・・ 今日、しみじみ感じた。
どんどん長男が自分の手から離れていく・・・ あんなにベタベタの甘えん坊だったのに。
男の子の成長って、こんなに母親を切ない気持ちにさせるんだ・・・。
すっかり私の身長を追い越した長男と、肩を並べて帰宅した。
こんなこと、後何回出来るんだろう?
淋しいけど・・・ でもいい男になってくれ、長男。