続・母もぼやいてみたいなり

心機一転。しかし母はぼやき・戯言・寝言を続けます。どうぞよろしくお願いします。

小さな剣豪

今日は次男坊の剣道の試合でした。

市内の剣道連盟に所属する道場が一堂に集まる試合で、秋は個人戦。

今日は小学生の部で、次男坊はこちらに参加しました。

小学生だけでもかなりの参加人数。

大阪府内でも割と実力のある道場があったりして、剣道も盛んです。

そんな環境で剣道を始めて1年半・・・我が子達もそれなりに上達してきました。

といっても強豪たちに比べればまだまだひよっこ、歯が立ちません。

結果から言ってしまえば、初戦敗退。

しかし、瞬殺されることなく、ある程度の打ち合いが出来たのが大きな進歩と言えるでしょう。

 

小学生といえども、就学前から剣道を始めていたりして、

キャリアが数年、なんて子達がわんさかといます。

小学6年生で1級を取得している子達の試合は、もう圧巻です。

正直、小学生に見えません・・・ 大人顔負けの剣道をしてくれます。

3、4年生くらいで大体の形が出来上がって、5、6年生くらいで洗練される、といった風。

彼らが中学に上がると、ここに力や更なる瞬発力などが加わって、より迫力が増します。

 

今日印象に残ったのは、やはり6年生の試合。

いつも出稽古先でお世話になってる面々、実は優勝候補で、

その内1人は昨年優勝したM君です。

彼も堂々と、彼らしいスタイルで2試合を勝ち進みましたが、

3試合目で対戦した子、この子(I君)が実に凄かった。

M君とI君とは身長差が約20cmありました。

そう、I君は小学6年にしてはとても小柄で、大柄のM君と並ぶと兄弟のよう。

M君が竹刀を面に振り下ろせば、一たまりもありません。

しかし、I君はその不利な点を見事に活かしていたんです。

小さい故に相手の懐に入りやすい、そして持ち前の敏捷性でコテと胴を取っていく・・・

これがまた、小学生とは思えない早業で、なかなか見えない!

バランスを崩して転んだ!と思いきや、その寸前にコテで1本取っていた、なんて事も。

結局・・・このI君に、出稽古先の強豪たちは1本も取ることが出来ませんでした。

当然、I君は優勝。

ラフな剣道スタイルで有名な道場で、私としてはあまり好きではないのですが、

I君のスタイルはまさに芸術的・・・ 思い切り拍手していました。

 

実はもう1試合、とても印象的なものがありました。

女剣士Mさんと、我が道場と同系列にある道場のN君の準々決勝の試合。

1対1、両者優劣つけがたく延長戦へ。

が、この延長戦が、猛烈な延長となって、見ているこちらも手に汗を握りました。

どのくらいだったでしょう・・・10分近く。

その間ずっと緊張感と集中力を維持し続けることが、

この小学生達に出来るなんて・・・大人として恥ずかしいばかり。

『Nは怒るとごっつ怖いで』と彼を知る子達が背後で囁いていました。

怒りの火がついたのかどうかは分かりませんが、

長い長い競り合いの末、N君が1本とって準決勝へ・・・。

 

ですがこの準決勝の相手が・・・先程のI君だったんです。

N君もかなり大きい子で、力では負けることはないでしょう。

しかし、前試合から休む間もなくだったN君、俄然不利です。

それに怒りを覚えてしまったのか、N君、力で物をいわしました。

I君を吹っ飛ばした上に、倒れたI君の面を竹刀でポンポン・・・これはまずかった。

怒りを覚えてしまったのはI君かもしれません。

その後、まさに瞬殺!I君はあっさりと2本決めてしまったんです。

しかもこれがコテ2本・・・鮮やかとしか言いようがありませんでした。

 

表彰台に立っていた4人の6年生で、I君は飛び切り小さく、

本当にあの子が優勝したのか?と思わずには居られませんでした。

身長は我が次男坊と変わりません・・・

でも小さいという短所を見事に長所にしてしまった彼の剣道スタイルには、

深く感動しましたし、わが子に対する希望も持てました。

小さな剣士に教えられたこと・・・これからもずっと心に留めておこうと思います。