カップ焼きそば
私が小さい頃のインスタントと言えば、
カップヌードルが発売された時のことはあまり記憶にないが、
焼きそばのUFOが発売されたときは、衝撃を受けた、そんな風に覚えている。
普段食べている家庭の焼きそばに比べ、麺が細く、ソースがスパイシー。
初めて口にした時はその刺激的な味に吃驚した。
しかししっかり魅了され、その後、土曜日のお昼の定番の1つとなった。
中学に上がる頃には、どん兵衛だの中華三昧だの、
インスタント商品も数が増え、選択肢もどんどん増えていった。
これは母の好みだったのだろうか、我が家にはわかめラーメンが常に常備されていた。
そう、♬わ~かめ好き好きピチピチ~♬のCMのあれだ。
それよりは常備率は下がるが、焼きそばUFOは備蓄棚の常連であった。
CMでは杏里の曲が流れたりしてたもんだ。
その後ヤキソバンなんてキャラも登場していたが…。
独り暮らしの時も大いにお世話になったカップ焼きそばUFO。
でも大好きなこの焼きそばから離れる時期が来る…。
外国人の旦那に出会って、インスタントを食べる機会が激減したのだ。
そもそも、インスタント文化がそれ程でない育ちの彼と知り合って、
食生活は激変し、インスタントとは縁遠くなった。
そして結婚し、子供2人を出産。
子供の食生活の事を考えたら、インスタントは敬遠する対象になってしまった。
私が食べてしまえば、その姿を見ればきっと真似をする、
だから私も食べることをやめてしまった。
何年食べなかっただろう… 本当に10年近く、インスタントとは距離を置いた。
子供が成長するとともに食欲も増し、
私の帰宅時間まで、空腹のまま待っていることが難しくなった。
前の日の残りとか、御飯のお供になるものとか、色んなものを準備したが、
それでも間に合わない時の最後の「非常食」として、
インスタントを買っておいた。
「これはエマージェンシー(非常食)よ。ほんとに困った時ね」
そう子供に言い聞かせておいた。
最初はその言葉を守ってくれていたが、食欲はあらゆるものより勝るものだ。
非常食は常に消費され、買い置くインスタントは常備食となった。
私自身もインスタントを食することを再開し、
そしてカップ焼きそばとも再会した。
日清やきそばUFO、そしていか焼きそば…。
だが、そのいか焼きそば、昨年の3月で生産が中止になってしまった。
大盛りサイズで若干キャベツも多め、UFO同様スパイシーなソース、
しかし違いは別添のスパイス、これが味にアクセントを生んだ。
大好きだったカップ焼きそばが製造中止、そんなニュースを見て、
急いで箱買いしてしまった。
その様子を見た子供達…当然唖然。
一緒に食べてみるも、「ソースがしょっぱい」
その内、長男がお昼に一平ちゃんをよく食べるようになった。
大学でのお昼に、コンビニでお湯を貰って食べていたら大好きになったという。
別添えのからしマヨネーズが気に入ったらしい。
それに刺激を受けたか、もしくはマツコ・デラックスの影響を受けたか、
次男坊がペヤングを買って来て食べるようになった。
しかもペヤングの色んな味やサイズのものに挑戦するようになった。
そして、この様子を見ていた旦那が、
コンビニやスーパーで見かける新商品を面白半分で買うようになり、
我が家の備蓄棚には様々なカップ焼きそばが並ぶことになった。
さて、子供にカップ焼きそば文化を見事に伝授した私だが、
大好きだったいか焼きそばは姿を消し、
久方ぶりに食べた焼きそばUFOのソースがどうも口に合わず、
なんと、袋の日清焼きそばという原点にかえることとなった。
ちょっと変わった食べ方をするのだが(苦笑)それは秘密なのだ。